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水族館にホオジロザメがいない理由とは

ホオジロザメがいない理由

ホオジロザメは一般に「人食いザメ」として知られている種類のサメで、スティーブンスピルバーグ監督の有名な映画「ジョーズ」に出てきたのもホオジロザメです。
このホオジロザメを、水族館などで間近で見てみたいと思った方は多いと思いますが、実はホオジロザメがいる水族館というのはありません。
なぜかというと、ホオジロザメというのは 捕獲が非常に難しい生物だからです。
ホオジロザメというと獰猛な面だけが強調されていますが、実際には大変繊細な生物のため、捕獲しようとして失敗し死亡してしまうことも稀ではありません。

捕獲に成功したとしても、ホオジロザメを上手に飼育するのは至難の技です。
ホオジロザメは広大な海域を非常に速いスピードで移動する生物ですので、それに対応するような水槽を用意するのは現実的ではありません。
野生の環境に慣れているホオジロザメを水槽に入れた場合、猛スピードで水槽に激突して死亡してしまうことも考えられます。

エサの確保が困難を極めるのも、ホオジロザメを水族館で飼えない理由のひとつです。
成長したホオジロザメはアシカやオットセイを常食としていますので、水族館で飼おうとすると費用がかかりすぎてしまうことになります。

中には飼育に成功した水族館も

海面近くを泳いでいるオットセイなどを襲撃して猛烈な勢いで食べてしまうホオジロザメを飼育するのに成功した水族館も、海外にまったくないわけではありません。
アメリカ・カリフォルニア州にあるモントレーベイ水族館(Monterey Bay Aquarium)では、ホオジロザメを6ヶ月間展示することに成功しています。
モントレーベイ水族館といえば、ジャイアントケルプという長さ9mにもなる種類の海藻を展示した巨大な水槽などで有名です。

モントレーベイ水族館では、高さが10mある水槽をホオジロザメのために特注したことで、6ヶ月間もの飼育を可能にしました。
とはいえ、結局は外洋に戻さなければならなかったのです。

日本でも、沖縄の美ら海水族館がホオジロザメの飼育を試みたことがあります。
このときは、ホオジロザメはわずか3日間で死亡してしまいました。

ホオジロザメについて

ネズミザメ目ネズミザメ科ホホジロザメ属のホオジロザメは、絶滅危惧種に分類されています。
世界中の海に分布しており、特に北アメリカや南アフリカ、オーストラリアの海域で見られることが多いようです。
浅瀬を生息地にしているため、時おり映画で見られるように、人間を襲うこともあります。

全長は8m、体重は2トンと大型ですが、時にシャチに捕食されることがあります。
特に頬が白いわけではなく、名前の由来は分かっていません。
英語では「white shark」などの呼び方が一般的です。